我々はこの世に
精を生を受け、そして死にゆく。
時の過ぎ行くままに。
「さだめならねぇ・・・従うしかないんだよ」by ばばさま。
あぁ神よ!何故にあなたは時の波に打たれ続けることを我々に強いたもう?
ひたぶる時の流れにあらがい続け、我身朽ちゆきてなお、風吹き止まず。
・・・どう?30過ぎた男のブルーメランコリックな独白。
え、「キモい」?
うん、君正解!
今回は現在の私の心象風景を披瀝することから始める。
気が晴れない。
オレはは何故にブルーなのか。
納期である。仕事には、何故か必ずセットで付いてくる「納期」である。
現役の皆さんであれば「課題提出日」に置き換えればムーディー。
来週3件ほど納期が続く。まだ進捗の程は2割足らず。
さて、私はどうするべきか?
『そりゃ大変。さっさと仕事やんなさいな』
・・・おいおい、ブスイだな君も。
そんな『きれいなおねえさんは好きですか?』レベルの
問題提起をしているわけじゃないよオレは。
ごめん説明が足りなかったね。仕事をやろうにも私は今、
1)好きな本の続きを読む
2)こないだ手に入れたナイスな黒糖焼酎をロックでヤる
3)夢心地のままに眠る
以上3点を順次行動に移したくて困っているところなんだ。
って勘違いされちゃこまるよ、ナゲてないよオレ。
あくまで「納期は守る」んだよ。
この相反するものの両立を可能にする方法を開発するんだ。
さてさて、どうしたらいいのであろうか・・・?
フツー(?)ならここでドラえもんが登場。
さしあたり「予〜定〜日ー記帳〜(←大山のぶ代)」に
『明日の朝に取引先の担当者がカゼをひきました』と記入するわけだ。
もしもボックスで『もしも納期が延びたなら』もいいが、
アレは藤子F不二雄によれば未来に起こりうる事象を事前選択する装置であり、願いかなえる一方、厳然として納期に苦しむオレがパラレルワールドに存在する、ということになるらしい。それはちょいと気分悪いな。えっと〜、じゃあ〜、他のひみつ道具だったらぁ・・・・
はっ!・・・いかんいかん、今オレは現実的なアプローチでこの問題を解決しようとしているところだったのだ。ドラえもんがまだ居ないこの21世紀、この方法論は残念ながら非現実的と断ずる他にない。
うむ、未来ロボットで解決しようというのがそもそもの間違いなのだ。
うんこ恥心、いにしえの教えからソリューションを模索してみよう。
★紀元前4世紀初め、南イタリアのギリシア植民都市、
エレアの地で生まれた一元論の哲学者ゼノン。
彼は師であるパルメニデス(B.C.5半頃・エレア学派の祖)が説くところの、
*全てのものは変化しないの!そしてそれらは1コしかないの!
ほら、このリンゴ、「このリンゴ」はこの世に1コだけでしょ!
え、?腐って変化する?食べて消化して変化する?
・・・何寝ぼけてんのこのウスバカゲロウ(薄馬鹿下郎)?
腐ったこのリンゴもこれを食べたボクのうんちも「このリンゴ」じゃん!
存在は永遠不変、腐敗して消化されてどんなにちっちゃな微粒子になっても
そのつぶつぶは「このリンゴ」だし、そいつらをぜぇ〜んぶ足せば、
ホラ見なさいよ「このリンゴ」になるハズじゃない!
時間だってそうなの!時計の目盛りをどんなに細かく作っても
1秒は1秒なの!1秒の百億千万分の1秒だってゼロ秒じゃないの!
そう、ボクは無限の時をさすらう旅人・・・・詩人!詩人!
どう?これボクの考え。ウソとかいうやつみ〜んなバカ!
や〜いバァカバァカ、おまえらみんなブタのえさになれ!
・・・という
困った高尚な論説を擁護するため、
「ゼノンのパラドックス(逆説)」と呼ばれるロジックを提唱した。
(1)アキレスと亀
俊足で知られるアキレス。その前方を足の遅い亀が歩いている。
彼は亀をつかまえてやろうと歩調を上げる。
だが1秒後アキレスが前進する間に、亀も前進している。
そしてこれは、0.00000.....1秒の間においても変わらぬことである。

つまり「微細なその瞬間瞬間」において亀はアキレスと同様
「常に」前進していることを考えれば、亀は常に彼の前方にある。
故、アキレスは亀に追いつくことはできない、のである。
(2)飛ぶ矢は運動しない
弓矢の上手アポロン。野を行く格好の標的「亀」をその前方に見つけた。
彼は亀をしとめるため得意の一矢を放つ。
さてこの矢、亀に届く前に先ずはその距離の半分の点に到達せねばならない。
そのハーフポイントに到達すべく、そのまた半分のクオーターポイントに達するべきであり、さらにその半分、その半分、その半分・・・・というように、
矢は亀とアポロンの間に存在する無限のポイントを通過する必要がある。

だが、微細であってもそのポイント間距離は「ゼロ」ではない。
無限に存在するポイントの全てを有限の時間内で矢が通過することはできない。
故、飛ぶ矢は運動しない、のである。
(※注・この「飛ぶ矢」については4題からなるパラドックスの(A)二分割説(B)飛矢静止説を分り易くするため私が適当にリミックスアレンジしたものである)う〜む、よく考えたもんだゼノン!今をさかのぼること実に2500年前。
彼はこれをもって多元論の徒を排撃した。
こういうたぐいのものって『誰かが考えなけりゃ、誰も思いつかない』
そういうやつだよな。けだし哲学者は知を愛すものなり。
「思い出そうとしても 忘れられないのだ」 by バカボンのパパ。
・・・
そうか!そうなのだ!そうして私は彼等いにしえの哲人パルメニデスとゼノンの説に依って、
主題の「納期をどうするか?」を解決する方法を見つけたのだ!
★納期までにはまだ辛うじて時間が残されているが、納期を迎えるその時までには無限の微小時間が存在している。無限に存在する時間の全てを有限の経過で過ごすことは出来ないため、時間は進まない。
『故、納期は存在しない。』・・・ハイッ!いやいや完璧だろコレ。
じゃオレ今から本読んで・・・っておっともうこんな時間か。
順序通りじゃないけど先ず寝るわオレ。
じゃあね!(有)○○設計・○ロ○クス群馬(株)・(株)○来社(※敬称略)
アディオス!!・・・ただ残念ながらゼノンの説は、ほどなくアリストテレス(B.C.3半)によってその仮定の脆弱性を指摘され、さらに十余世紀を経てライプニッツおよびニュートンの微積分法確立により、完全に論破されるに至った。
・・・っておいおい、ほんとブスイだな君たちも。
んなカタっ苦しい当たり前なことばっか発見してどうすんだコラ?
たまにはあンま〜いハチミツみたいなこと言ってみろってんだよ!
・・・え、何?

・・・いやだからその、・・・・
あぁもぅ!!※この物語はフィクションであり、私はちゃんと仕事をやるはずです(多分)
気分はノンフィクションです。
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