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2007/08/18 01:34
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6月20日、建築基準法が改正、施行された。 姉○元建築士による耐震偽装事件に端を発した改正である。 構造計算において、大臣が認定した計算プログラムを使用し、それにより作成した申請書類を改ざんしたというこの事件、悪意をもって改ざんを行ったその建築士はもとより、それを審査した民間審査機関、そして審査機関を指導する立場たる国交省まで、その責任が追及された。 こりゃたまらんとばかりに、これからはこのような事件が起こっても、こちらには責任が及ばない様に、法律の方を改ざんしてしまえ! 責任は全て建築士と審査機関になるように!! と言う訳で、今回の法改正と至ったのである。 まったく、ふざけんな! と言いたくなる話である。 で、そのおおまかな内容としては、 ①構造計算は特に入念にチェックしなさいよん。で、だれが構造計算したかもちゃんと明記してね。安全証明書って書類にハンコも押して、責任の所在は明確にね。 ②申請図書にちょっとでも法に抵触してそうな所がわずかでもあったら即出し直せ。もっかい手数料も払って最初からやり直しだよん。 (今までは、そういう所は審査官が指摘して、そこを訂正すれば良かったんだけどね♡) ③怪しい所がちょっとでも無い様に、きっちりチェックできるよう、図面は細かい所もしっかり書いてね。認定品や認定プログラムとか使う場合は、認定書の写しとその添付書類を全て提出しなさいよ。あ、それとシックハウス対策の換気扇の構造詳細図もね! ④もちろん建築士免許の写しもね。その設計に関わった建築士全員分だよ。 ⑤ちょっとでも違反した奴には厳しい罰を与えちゃうよ。 ふ~ん、でも何となくそれって当たり前の事のような感じもするけど・・・ ところが、だ! 実際は、これらはとてつもなく面倒なことなのである。 ①は、とにかくその審査時間がやたらとかかってしまう。 ②は、審査官が見始めてすぐ指摘事項が発生すると、そこでつっかえされて終わり。つまり、その先にもいくつか問題点があっても、始めに全部教えてくれない。そのたんびにつっかえされる。改正後の何週間かの間、とある役所では、申請された物件の9割以上が落とされ、審査を通って許可が下りたのは1割にも満たなかったそうだ。そこで民間の審査機関では、本受付前に事前にチェックしてくれる制度を設けている。そうでもしてくれないと、いつまでたっても合格しないもんね。てことはつまり、これからは申請は役所ぢゃなく、民間に出しなはれ!ってことなんだな。 ③は、とにかく書類が膨大な量になってしまうし、作成する図面も増えて、えらく手間がかかってしまう。認定品って結構いっぱい使ってたりするんだよね。 例えば、火を使う部屋:キッチンとかの壁紙は準不燃材料の認定品とか使わなければいけなかったりする。キッチンが部屋として独立してなくて、間仕切りのドアとかが無くて、リビングとか階段とか廊下まで空間としてずっとつながってたりすると、そのすべての壁・天井のクロスの認定書とその添付書類が必要になる。 準防火地域(23区内はほぼ全域)だとサッシも認定品となる場合がほとんど。開き方の種類によって認定番号が違うので、それぞれ必要となる。 認定品1つにつき10枚ぐらいあったりすると、家一件分の認定書類だけで100枚をゆうに超える。それを3セット提出するとなると、紙とインクがいくらあっても足んない。 建材メーカーなども、まだこのことがよくわかっていない所が多く、認定書類をHPでダウンロードできる会社はまだ少ない。認定書を入手するだけでも一苦労なのだ。 それから、住宅でも3階建になると、電気・ガス・給排水などの設備図も添付しなければならないことになったそうなのだが、審査機関の人の話によると、まだその設備図に何をどのように記入して、どこをどう審査するのかについて、国交省からは何の指針も出されていないとの事。つまりまだ審査が実質できないので、申請されても許可が下ろせないのだそうだ。 審査機関の人曰く「これじゃいつまでたっても工事に着手できないから、小さい住宅会社はつぶれちゃうよな。おまんまの食い上げだよ。」 私が思うに、今回の改正は、「大臣認定」という制度について、本来ならば、導入する前にそれをチェックするシステムを整備しておくべきだったのに、財界からの圧力におされてか、整備する前にその制度だけがどんどん先走ってしまって収拾がつかなくなり、そして問題が表面化してしまったので、力技で無理矢理審査機関と建築士に押し付けてやったという感がある。 日本の政治の縮図のように見えてしまうのは私だけだろうか。。。 そして今、私は申請しなければならない物件を3つ抱えている。 もうパニックだす。 お盆もなにもあったもんじゃない! そんな訳で投稿遅れてすみませんでした。 ハイ、もちろんただの言い訳です。 PR |


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