2025/05/18 08:25
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2008/05/11 15:01
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小学生のころ、近所の公民館で映画会というイベントがありました。 夏休みも始まって間もない頃に、 夕暮れ子供たちで集まって映画を鑑賞する会でした。 昼間たっぷりの太陽を浴びて青々とした稲を夕日が赤く染める頃、 田んぼの中のあぜ道を幼なじみと歩いていました。 まだ蛍が飛び交う姿が見られたその頃、今年も蛍とりしようね、とか 今日の映画は何だろうね、ドラえもんかな〜、などと話しながら。 歩きながらの話の途中、 道の脇に茂みがある場所にさしかかった時、 ふいに猫の鳴き声が聞こえました。 小さい頃から猫が大好きだった私。 「あ、猫の鳴き声がする!どこかにいるよ」 幼なじみと一緒に猫の姿を早速探しはじめました。 ですが、なかなか動いている気配が見当たりません。 さっき確かに鳴き声を聞いたはずなのに。 「さっき、鳴いてたよね?いたよね?」 「…うーん、私は聞こえなかったけど。」 でも、確かに近くにいる鳴き声だったんだけどなあ… 残念、気のせいだったかな。 映画会の時間も迫ってきていました。 あきらめて、もう公民館へ行こうか、と言いかけたそのとき、 また鳴き声が聞こえました。 親猫が子猫を呼ぶ声のような、何かを訴えるような鳴き声が 確かにしたのです。 …こっちから鳴き声がする! 確信に満ちて茂みを分け入ると、 小さな木の根元に茶色の毛玉が、横たわっていました。 猫でした。 でも、もう、動かない。 猫だったもの、がそこにありました。 近所の飼い猫だと幼なじみが気づき、 その家のひとを呼んで猫は連れて行かれ、 山に埋められました。 その年はヘリを使用した大規模な農薬の散布があり、 農薬を食べて倒れたネズミを、猫が食べて息絶えたようだと 後で聞きました。 最後の力を振り絞って 自分はここにいるよ、見つけてよ、と知らせたかったんでしょうか。 人間の勝手でこんなことになっちゃったよ、と言いたかったんでしょうか。 それから何匹もの猫の最期をみてきましたが 不思議な体験はその一件だけでした。 でも、猫をみていると、しゃべれないけれど伝えたいことが たくさんあるような気がして、ずっと観察してしまいます。 まったく、不思議な生き物です。 min. *******今月の「これ、良かったんです」*********** 皆様、履歴書だとか諸々の書類の“趣味”の欄になんと書いていますか? 私はダンスもさることながら、定番の“読書、映画鑑賞”とも書く人種です。 ここでは勝手に皆様へお勧めの本、映画などを 私の偏った趣味の中で、思うに任せてご紹介します。 You Tubeなどに映像があがっているものもありますので 気が向いたらチェックしてくださいませ☆ ********************************* 『秒速5センチメートル』 新海誠監督(2007年3月公開) 「ねえ、秒速5センチなんだって。」 「うん…?何が?」 「桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル。」 そんなイントロから始まる短編3連作アニメ映画。 様々な賞を獲得している監督の作品という事で、 ご存知の方も多い(?)かも知れません。 でも、特にアニメには興味ないし〜という方にもおすすめです。 小学生の仲良しの男子と女子が、転校する事で離ればなれになり、 手紙のやりとり(メールではない)をするところから物語は始まります。 特に、ドラマチックだったり、何かが起こる訳でもありません。 ひらたく言えば、青春ラブストーリーです。が。 “何も起こらない”ことを描ききって作品にするって。並じゃないです。 二人の間には、決定的な障害がある訳ではないけれど 様々な流れの中で変化せざるを得ない。 環境や感情や距離が、大切なものも必ず変わって行く。 “スピード”がテーマのひとつであるこの作品。 手紙の、メールの届くスピードや 待つ方、待たれる方の時間の過ぎる感覚、 田舎と都会の流れの速さの違い… 小学生と社会人では同じ人生の中でも、 変化して行くスピードは確実に違います。 変わっていくことを、淡々と静かな視点を持って、丁寧に細やかに描かれています。 そして、背景美術がなんといっても秀逸! 記憶の中の風景を描く、というところで細部まで描ききっていない事が ポイント、と監督の話があるのですが、 本当に記憶の中にある風景と合致するので、電車好きな方には必見です。 ところどころにデジャヴを感じます。 もう戻らないけれど大切な時間の空気、匂い、光の加減。 懐かしい記憶を呼び戻すスイッチになるかもしれません。 そして主題歌が、山崎まさよしの10年前の名曲 「One more time,One more chance」。 短編集なので忙しい方も構えず見られます。 ひとりで懐かしい思い出に浸るもよし、 大切なひとと見るのもよしな一本。 さて、誰を思い出しながら観ましょうか… PR |


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