希望　　　　　　　　　　　　……２００３年１１月２日

　皮膚の下
　細胞のすみずみまで
　現実が染みとおるのを待つ
　最初の痛みは薄れ
　かすかな余韻だけが心臓に響く
　静かに静かに反すうをして
　私はゆっくりと目を覚ます
　何ら変わらぬ風景を
　この密やかな変革を続ける脳と
　歩いてゆく

　救いはどこにもない！
　どこにもない！



　　とおりすぎてゆく　　　　　　　　　　……２００５年１月

　とおりすぎてゆく
　とおりすぎてゆくひとびと
　同じ身体　同じ器官　同じ皮膚を持っているはずなのに
　どこか相容れないような気がして
　ひっそりと　見つめていた
　　　　　　　　　　　　　　　　

　　
　　無題　　　　　　　　　　　　　　……２００５年９月７日

　いくつかのよろこび
　いくつかの悲しみ
　かぞえきれない痛み
　ありあまる幸福
　この手のひらになお
　あり続けるのぞみ
　
　ゆめみた日　感じた
　はかりしれない孤独
　けれどもなみだは　あたたかく……
　この目のうらにまだ
　ひかりは輝き続けている

　ありがとう
　　……それはだれに？
　ありがとう
　　……わからない、けど
　ありがとう
　　……ただつたえたい


　
　　　うたうたいのうた　　　　　　　　　……２００７年５月２２日

　指折る
　かぞえる
　うた　
　うたうたい

　たたいて　
　はじけて　
　跳んでけ
　どっか

　夢見て　
　めざめて
　ぬれたほほ

　
　今日もうたうよ
　うたうたい