2025/05/15 11:42
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2007/04/07 11:11
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私の父にとって 最大のアイドルが亡くなった。 軽快な音頭とテンポのいい話し振りで その時代一世を風靡したその人を 当時小学生だった父はひたすら真似したそうだ。 同級生が喜んで繰り返しを乞うのを お調子者の父が拒否する訳もなく なりきって、というよりも 大人になったら本人になれるんではないかという 子供にありがちな幻想を抱きながら その時は教室のアイドルを演じきった。 ところがそのおふざけが過ぎたようで ある日父はある場所に呼び出しを食らってしまう。 体育館の裏? 職員室? 学生指導室?(そんなの当時はない) いいえ、 校長室である。 これは流石のお調子者の父も ビビってしまった。 強面の校長先生が大きなイスに座って こちらを見ている。 その脇に飾ってある代々の校長肖像写真も こちらを見ている。 思わずちびってしまいそうな緊張感。 流行というのは難しいもので 子供には悪影響だといって 大人は排除したがるものがその中には多い。 一番楽しんでいるのは 当の大人だったりするのに。 校長が口を開いた。 「君は…」 「!はい!」 まだ何も言われていないのに思わず返事をする父。 「…スーダラ節が 得意だそうだね。 それ、一つ踊ってみろ」 「!?」 そう、父にとってのアイドルとは 先週急逝した 「無責任男」植木等 である。 校長の意外なコメントに不意をつかれたものの、 やはりお調子者の父は喜んで披露したそうだ。 校長先生の心の広さもさることながら、 娘の私からみてもちょっと変人な 父らしいエピソードである。 そんな父にとってのアイドルが亡くなった。 心にぽかりと空く虚無感。 勿論私はその世代ではないのに 今日の「人生波瀾万丈」をみていて 何故かとてつもなく寂しくなったのは 植木等が大物だったからのもあるけれど、 このエピソードを幼い頃から 聞いていたからだと思うのだ。 「真面目な無責任男」植木等さん。 ご冥福をお祈り致します。 世代を超えて、好きでした。 PR |


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