こんばんは、マヤです。
一日遅れてしまいました。すいません。
ずっと続けて参りました
ピーターパンとウェンディ考察論ですが
そろそろ考えたつきるので今回を最終回にしようと思います。
次回からは何を書きましょうねぇ。
ピーターがヒーローなら
ヒロインは勿論ウェンディです。
それでも、一番ドラマチックなのは
ティンカーベルなのではないかと思います。

ティンクはピーターにとってただの家族。
空を飛ぶための妖精の粉を思う存分利用するくせに
逆に何かと世話焼きな彼女を邪魔だなぁと
追いやるのはいつもの事。
ウェンディの登場に嫉妬を抱いてぷんぷん怒る
ティンクの様子にも、なんだよあいつ。みたいな。
都合のいい男ですね。(まぁそういうものだとは思います)
ティンクがピーターに恋をしていたか
それともパートナーとして、ただただ
大切に思うだけだったかはさておき、
フック船長に仕掛けられた毒(ディズニーでは爆弾)から
ピーターをかばって死にかけてしまうエピソードは
見方を変えれば、ウェンディを助ける場面や、
フックを倒す場面よりもこの物語にとって
重要なシーンになり得ます。
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「どうしたんだい?」ピーターは
突然恐ろしくなって声を荒げました。
「毒なのよ、ピーター」ティンクはやさしく言いました。
「私は死ぬわ」
「ティンク、僕を助けるために飲んだんだね」
「ええ」
「でもどうして、ティンク」
羽はティンクを支えていられません、
でも答えるためにピーターの肩に止まると、
ピーターの鼻を軽くかみ、耳元でこうささやきました。
「すっとっこ、ばか」
そしてよろよろ自分の部屋まで行くと、ベッドに倒れこみました。
(中略)
刻一刻とティンクの光は力を失っていき、
ピーターは光が消えた時がティンクも死ぬ時だとわかりました。
ティンクはピーターの涙が大好きだったので、
そのキレイな指を伸ばして、その上を涙が流れるままにしたのでした。
ティンクの声は力なく、
最初なにを言っているのか分かりませんでした。
でもやっと聞き取ったところでは、
もしコドモ達が妖精がいることを信じてくれるなら、
また元気になるかもしれない、と言うのです。
(ピーターパン原作より抜粋)
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健気なティンクの姿にも心を打たれますが、
このやりとりはピーターというキャラクターだけでなく、
ウェンディと共に、現実の世界(大人の世界)に
行こうとするネバーランドの住人
つまり、私たちへの抽象的な忠告と捉えられます。
大人になっても子供心を忘れないで!
ピーターパン物語の最重要テーマである事が
脇役であるはずのティンクの口から出てくるとは。
ディズニーランドに行っても、
ウェンディではなくティンカーベルの人気が
高い根底にはこうした理由があるのではと思います。
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児童文学はその名の通り子供の為に作られた
物語ですが、実際描いているのは大の大人です。
作家の人たちは無意識のうちに
子供に本を読み聞かす大人達へのメッセージを
組み込んでいるのではないでしょうか。
そういう視点で絵本などを読んでみるのも
また一興かと。
以上、ピーターパンとウェンディ考察論最終回、
もとい児童文学のススメ、でした。
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