5月11日(金)から13日(日)にかけて、沖縄を旅行してきた。ゴールデンウィークを避けたのだ。
大人は会社を休み、子供は学校を休んだ。
ええ、非常識な親ですよ。認めます。
でも、ゴールデンウィーク中に行くと、旅行代金が一人当たり10万円も上乗せされるんだもの。
10万ですよ10万。3人合わせて30万円も更にかかってしまう。この一週間の差はとてつもなく大きい。
リサーチする前までは、「レジャーのために子供に学校を休ませるなんて考えられない!」と思っていた。だがパンフレットの料金表を見た途端、自分でも呆れる程の思考転換。
30万あったらもう一度旅行に行けてしまうじゃないか。ばかばかしい。
それに、学校を休ませても行く価値のある旅に違いない。ゆとり教育万歳!
というわけで金曜の早朝、羽田へ出発。飛行機に乗るなんて新婚旅行以来だ。ちょっと苦手なので緊張。と思っていたら隣にもっと緊張している顔が。9歳の我が息子。
当然彼は飛行機初体験。離陸のときは顔が強張っていた。唇が乾いてカサカサになっている。親らしく元気付けようと「大丈夫だよ~。」と手を握ってやると、「お母さんの手、冷たいよ」と鋭いご指摘。チキンハートな駄目母。
無事沖縄の那覇空港に降り立つと、思っていたより気温も湿度も高くなかった。沖縄はゴールデンウィークがベストシーズンと言われている。台風も梅雨もなく、泳げるくらいの気温になっているから(沖縄は3月に海開きする)。
例年は5月8日位から梅雨入りらしいのだが、今年は大分遅れているらしい。ラッキーだった。
初日は有名な美ら海水族館へ。
ジンベイザメはゆったりと泳ぎ、

マンタはたゆたい、

ウミガメはマッタリと漂い、

マナティーはデカかった。

驚くべきはコレ。サメのアゴの標本。レプリカだが実物大とのこと。

ボディーが想像できない。海中でこんなのと遭遇したら一発で失神するか失禁するかのどちらかだ。
すばらしい水族館だったが、翌日には更なる感動の出来事が。
オプショナルツアーで『青の洞窟』にシュノーケリングに行ったのだ。
場所は恩納村の真栄田岬というところ。沖縄に『青の洞窟』があるなんて知らなかった。

そもそもガイドブックでこのツアーを見つけたので、一も二もなく宿泊先をこの岬のそばのホテルに決めたのだった。
険しい岩場を歩いて現場へ到着、薄暗い海のなかへエントリー。水深は5~6mはあるだろうか。ちょっと怖い。
インストラクターについて洞窟の出口付近まで泳いでいくと、水がみるみるクリスタルブルーに発光していく。
顔を水に付けると、青く光る水中を泳ぐ魚たち。

もう、夢のような世界だった。体の芯まで染まっていきそうな、鮮烈な青の世界。

そのまま岩場の出発点まで、外海を50mくらい泳いで帰る。
コレがまたスゴイ。
水深10m以上はありそうなのに、海底がバッチリ見える透明度である。
熱帯魚たちが、ウソみたいに周りを泳いでいる。
息子が泳ぎが達者なのをいいことに、そっちのけで楽しむ大人たち。
いろんなシュノーケルの先っちょから「うぉーっ!」とか「ひゃぁ~!」とか、雄たけびが聞こえる。あまりの綺麗さに思わず声が出てしまう。
とっても感動しているのに、なんだか、自分は本当にここにいていいのか?とちょっと申し訳ない気持ちになってしまうくらいの、完璧な美しさだった。
・・と、言葉で表現すること自体が陳腐に感じられる。
オプショナルツアーに参加しなかったら、なかなかあそこまで深いところに泳いでいけなかっただろう。海をナメたら恐ろしいことになる。(あ、大五郎は1人で行けると思うよ。)
ツアーに参加してよかった。ダイビングに魅せられてしまう人の気持ちがよ~くわかった。

息子も満喫していた。
この『青の洞窟』に行った時点で、自分の中で最高の山場を迎えてしまったのだが、当初は、3日目に参加申し込みをしていた『イルカと泳ぐ!ドルフィンプログラム』というのをメインイベントとして考えていた。
実は、私は幼い頃、イルカの調教師になるのが夢だった。
何かの番組で、調教師とコミュニケーションをとりながら様々なアクションをこなすイルカの姿を見て、感動したのがきっかけだったと思う。
しかし、それから数年後、”近年は獣医師が兼任で調教師をすることがほとんどである”という情報を得て、夢は潰えた。
獣医師になる?この私が?無理すぎる。
マッチ売りの少女がマリー・アントワネットになろうとするようなものだ。
などど言うと、私が獣医師に比べ調教師をかなり軽んじて考えていたと思われるだろうが、幼い私は、医師というものは頭脳明晰かつ家が金持ちという、人生で二度宝くじに当たったような人がなるものと考えていたのだ。そう、私の辞書に「努力」の二文字はない。
その潰えた夢を、わずかながらも叶えてくれそうな体験プログラムを、宿泊先のホテルで行っていたのだ。
コレを逃す手はない。
前日のツアーで気持ち的にかなり完了してしまっていたが、「イカンイカン!」と気持ちを奮い立たせ、ウェットスーツに着替える。プログラム参加者は自分たち家族を含め9人ほど。
最初にトレーナーさんからイルカについての簡単なレクチャーを受けた。
飼育プールへと、列を成して歩いていくと、早速イルカとの邂逅!
体を横にして、顔を片側水面から出して、片目で我々をジ~っと伺っている。こっちも見つめていたら、バッチリ目が合ってしまった。
明らかに「今日のはどんな奴等?」と言いたげな目。
もう、この瞬間に心を射抜かれてしまった。こんな至近距離でイルカとご対面するなんて!
トレーナーさんが「さあ、こちらが二重マブタが特徴の、バンドウイルカの『てぃーら君』です!」と紹介してくれた。
言われてみれば、確かに二重、お目々パッチリ。大きく見開かれているので白目部分がちょっと見えている。
彼が妙に人間臭く見えたのはこのせいだったのだ。目つきがヒューマニズムに溢れている。
トレーナーさんが指示するとおり、我々はプールの縁に座って『てぃーら君』の鼻先に触ったり、握手したりキャッチボールをしたり。
『てぃーら君』が私の目の前で立ち泳ぎをする。
「お母さん(←私の事)、『てぃーら君』の体に触ってみてください。」とトレーナーさん。
お腹の辺りを触ってみると、思ったよりふんわり弾力があってちょっと温かい。よく(ゴムみたい)といわれるが、もっと繊細な感じがした。
なんだろう、何かに似ているこの感触・・・。
「よく、
ナスみたいって言われます。」トレーナーさんが言う。
そう!それそれ!水を弾かない、マットな
ナス!お盆の迎え火の時に、キュウリと共に割り箸を刺されちょっと日なたに放置されて柔らかくなった、あのナス・・。
『てぃーら君』はとても可愛かった。芸も上手で、トレーナーさんのところに戻ってきては『次はなに?』と伺っている姿が愛くるしい。
「てぃーら、ジャンプとても上手だったねぇ」とトレーナーさんが言うと、『てぃーら君』は水面から顔を出し(ウンウンウンウン・・・)と小刻みに頷く。彼の得意技その一、「高速頷き」である。
中盤、一緒にプールに入ってシュノーケリング。泳ぐ我々のすぐ前方に落とされたリングを鼻先で取りに来る『てぃーら君』。泳ぎは凄まじい速さで、眼前を通り過ぎるとき、水流が渦を巻くのが見える。
イルカは賢い。どんなに近くを通り過ぎようとも、スレスレで接触しない。
カラスに頭を叩かれたことがある私は、妙なところで感心してしまった。(カラスはワザと叩いたのだという噂もあるが。)
最後はジャンプの連発である。我々もたくさん、たくさん拍手。
締めくくりは『てぃーら君』得意技その二、「笑いながら宙返り」。口を開けたまま、頭部の鼻腔(呼吸をする穴)から「うっえっえっえっ」と笑い声のような音を出しながらジャンプを3連発(イルカは口から声を出さない)。なんともせわしない芸だったが、バッチリ決まっていた。
「一緒に泳ぐ」というよりは、「至近距離でイルカの芸を見る」という感じだったが、夢にまで見たイルカとのふれあいなのでやっぱり大興奮。『てぃーら君』に抱きつきたいのを必死で我慢。
前日のツアーに負けないインパクトだった。
残念ながらこのプログラムはカメラ・ビデオ持ち込み禁止。当然といえば当然だが。
ありがとう、『てぃーら君』。君の事は忘れないよ。心のフィルムにしっかり焼き付けておいたさ・・。
・・と、今回は旅行記であります。
本当は他のネタを予定していたのですが、旅行前は準備のために身も心もいっぱいいっぱい、旅行後は沖縄のことが頭から離れず、ずーっとリゾート気分を引きずっているのです。なのでネタにしてしまいました。
沖縄にいったことのある方も多いのでは。今度は離島にも行ってみたいと思っています。
また行きたい。是非行きたい!
でも、財布がそれを許してくれない・・・。
またいつか!それを目標に労働に勤しむ毎日であります。
おしまい。
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