2025/05/15 11:23
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2007/05/19 23:59
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また、人身事故で電車が遅延だ。 甚だ迷惑な話である。 文庫本からうっすら顔をあげ電光表示板を確認する。 表示板には時刻が消えていた。赤いライトが遅延を絶え間無く通達する。 一体いつ起きた事故(人為的であれば自殺行為であろうと犯行か。)なのか分からないが、まだ暫くは電車は来ないらしい。 駅員がメガホンを使って誘導する。 流れないで濁る人混み。 ざわめき苛立つホームに日は燦々としていた。 初夏、五月。 じりじりと切迫した空気をかもしだす群衆に爽やかさなんて微塵もない。 iPodのボリュウムを上げて周りを遮断する。 硬質なピアノの音にほっとする。 視線を文庫本に戻し文字の羅列を追いながら 死、というものに思いを馳せる。 自分が漸く20を越えたばかりの若輩と分かった上での「死」というもの。 自然に暮らしていればまだ来るのは先だろうと思われる。 思われるのに、私は色々なところにその影を見る。 染み一つない青空に 駅に迷い込んだ鳩に 睥睨した街並みに 耳元の音楽が途切れた瞬間に 自分が居ないところで世界はパーフェクトだと気付いた時に。 そう。 世界はパーフェクトだ。 その欠陥や欠落まで含めてパーフェクトなんだ。 目の中に橙の電車が流れこむ そこで漸く自分が線路を見詰めていた事に気付く。 黄色の点字ブロックのギリギリ端に茶色のパンプスを乗せて。 一瞬見つけた絶望をその瞬間に忘れながら 私は電車が遅延したことも記憶に留めず大学へ行く。 日々は淡々と過ぎていく。 ******************* 規定の日時に投稿出来なくてすみません…。 体調崩したりなんだりですっかり放置してしまいました。 以後気を付けます。 前回の記事にコメントを下さった方、有難うございます~! 遅くなりましたが今から返信致します! PR |

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