2025/05/14 18:27
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
2007/03/12 09:00
|
「怒涛の合格 みすず学苑」のCMに春の訪れを感じる今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。 この「まうログ」で皆さんの記事を読んだり、コメントを書いたりする度に、いろいろな昔の思い出がよみがえる。 すっかり忘れていたことも、何かのキーワードに触れたために、突然一気に記憶がリロードされることもある。 私も思い出を楽しむのが好きなので、感慨にふけることもしばしば。 竹歳さん同様、私も実にこのブログを楽しみにしている。 思い出思い出言ってるけど、「記憶」ってスゴクない? 一体頭の中でどんな仕組みが働いているワケ? やれ「海馬」だ「扁桃体」だといった小難しい脳内のシステムを聞いたことはあるが、正直よく理解できなかった。とにかく、物事をを記憶し、それを保存しておき、必要なときやキッカケを得たときに自動的に探し引き出すその仕組みは正に生命の神秘なのではないか。 逆に、記憶を失う、あるいは出来なくなるのは深刻な問題だ。 最近、病気や事故によって記憶障害になるというテーマの映画やドラマをよく目にする。 絶望の淵に立たされる主人公とその他大勢。 複雑怪奇な脳内のシステムは、一旦壊れてしまうと修復も困難なのだ。 とはいえ、「記憶を失う」という現象は、実は身近なことだったりする。 お酒。 コイツはとんだ魔物らしい。 コレのせいで「オレ(アタシ)昨夜のコト全然覚えてないんだけど!」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか? お酒が飲めない人もしくはお酒に飲まれない人からすると、記憶が無くなるなんて現象はまったく理解できなかったりする。 「とんでもないことをしちゃったから言い訳してるだけなんじゃないの?」的な疑心暗鬼にさいなまれるのだ。 ところが、否。 本当に忘れてしまうのだ。(私は経験ないのだが。) 長い前置きだが、ここで私の友人(男性)の話をしたいと思う。 当然本人に了承を得てはいない。 ネタに困れば友情ですら切り売りしてしまう。アタイはそんな女さ。 私には15年来の友人がいる。 美術の道を志した頃からの仲で、私の主人と共によく遊んでいた。 この友人というのが、酔うと記憶を無くすタイプ。一緒に飲むとかなり御陽気になってしまい、人に突っ込まれたりイジられたりすると、 ①「だははは!」と笑いながら隣の人の肩をバシバシ叩き、 ②いきなり真顔になって「アンタ、ヒドイこと言うねぇ」と言った後、 ③再び「だははは!」と笑う。 という癖があり、しかも本人は、幾たびも繰り返したその一連の行動パターンを翌日ほとんど覚えていない。 「なんかオレ誰かをいっぱい叩いた気がする・・」ぐらいの感覚。 しかし、彼が本領を発揮するのは実は一人になった時である。普段温和な彼が、思いもよらない凶行に及ぶ。しかもそういう時の記憶は、翌日には表層意識の部分からすべて抜け落ちてしまっているらしいのだが、しばらくしてから、何かのキッカケを得ると脳内に凄まじい勢いでビジョン(=昨夜の記憶)が蘇って落ち込むというのだ。酒によるものだけに、妙に情けない「ジキルとハイド」である。 もう何年も前の話だが、彼がまだ学生だった頃、飲み会の後、最寄り駅からの帰宅途中に、何が気に食わなかったのか道端の非常用消火器の中身を空き地にぶちまけてしまったことがあった。 犯行の翌朝、通学のため駅に向かう途中、空き地の惨状を見ても自分の仕業とは思いもしない彼。(あーあ、馬鹿な奴がいるもんだな・・)と呆れ、粉まみれの空き地の壁を一瞥しただけで通り過ぎたのだが、そのまた夜の帰り道、目にしてしまったのだ。駅に向かう時には見えなかった、無残に壊された消火器のケースを。 それをキッカケにして、昨夜の「ハイド」だった自分の記憶(まず消火器に散々毒づいた後、石でケースの扉を壊し、「えぇぇーい、おまえなんかこうしてやるぅっ!」とわめきながら消火器をまきちらす)が脳内に蘇り、彼は猛烈に打ちひしがれた。 「馬鹿な奴」は自分だった。 いつものことなのだが、そういう時の行動の理由は本人も全く分からないという。思い出されるのは、凶行を繰り広げる己の姿のみ。 酒で記憶を無くした彼にとって、翌朝は、悲しい記憶を呼び覚ます地雷がひっそりと仕掛けられている、恐怖の世界なのである。そして彼は確実にそれを踏む。 そんな彼も、今では結婚し2児の父で、深酒を慎むようになり、落ち着いたものだ。我が家とも家族ぐるみで付き合いが続いており、毎年彼の自宅でバーベキューをするのが恒例行事になっている。 前回の訪問時は、彼の家に一泊させてもらうことになったので、帰り時間を気にせず、夕方から大人は酒を飲みまくりだった。子供を寝かしつけて、さぁ、大人だけの飲みタイム!となった時にはすでに男性二人ともかなり酔いが回っていた。 ちょっと静かになったリビングで「いや~~。」とため息をつく、子供にパワーを取られた大人達。 さて、のんびり飲もうかという時、 「実はさ、オレ、最近抜け毛がさ、止まんないのよ。」 と切り出す彼。 久々に酔っ払った彼は、冒頭からイキナリ独白ムード。昔のような御陽気さは無い。これが歳をとったということなのか。 (今更なにを・・・)とリアクションに困る我ら3人(私、旦那、彼の奥さん)。 彼が頭髪を気にしているのは今に始まったことではない。確か、知り合った頃から、ことあるごとに「オレ生え際がヤバイさー。」と口にしていたのを覚えている。 「かなり前からそんなこと言ってたような気がするんだけど。」 と私が言うと、 「いや、昔はさ、抜けてもちゃんと生えてきたのよ。代わりのが。それが最近はねぇ・・。」とブルーにつぶやく彼。 「あー、とうとう再生が追っつかなくなっちゃったのね」と思わず言うと 「追っつかなくなっちゃったってアンタ・・だははは!・・アンタ、ヒドイこと言うねぇ。だははは!」 いつものリアクションが返ってきた。叩かれる肩が痛い。 しかし、それから彼はさらに神妙な顔をして語り始めた。 「オレさ、みんなに言ってなかったけどさ、・・実は、20歳になったばっかりの頃、A社(某大手男性かつらメーカー)に行ったことがあるんだわ。」 一同衝撃を隠せなかった。彼の奥さん含め。 20歳と言えば、知り合って数ヶ月経った頃である。そんな素振りなんて毛ほども見せてはいなかった。 そして、それから彼が話す、酒と記憶にまつわるエピソードに、我々は更に驚くことになるのであった。 卑劣に続く。 PR |


![]() |
|

![]() |
トラックバックURL
|
忍者ブログ [PR] |
