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□■ 猫に関する不思議なお話
2008/05/11 15:01
小学生のころ、近所の公民館で映画会というイベントがありました。
夏休みも始まって間もない頃に、
夕暮れ子供たちで集まって映画を鑑賞する会でした。

昼間たっぷりの太陽を浴びて青々とした稲を夕日が赤く染める頃、
田んぼの中のあぜ道を幼なじみと歩いていました。
まだ蛍が飛び交う姿が見られたその頃、今年も蛍とりしようね、とか
今日の映画は何だろうね、ドラえもんかな〜、などと話しながら。

歩きながらの話の途中、
道の脇に茂みがある場所にさしかかった時、
ふいに猫の鳴き声が聞こえました。
小さい頃から猫が大好きだった私。
「あ、猫の鳴き声がする!どこかにいるよ」
幼なじみと一緒に猫の姿を早速探しはじめました。
ですが、なかなか動いている気配が見当たりません。
さっき確かに鳴き声を聞いたはずなのに。
「さっき、鳴いてたよね?いたよね?」
「…うーん、私は聞こえなかったけど。」

でも、確かに近くにいる鳴き声だったんだけどなあ…
残念、気のせいだったかな。
映画会の時間も迫ってきていました。
あきらめて、もう公民館へ行こうか、と言いかけたそのとき、
また鳴き声が聞こえました。
親猫が子猫を呼ぶ声のような、何かを訴えるような鳴き声が
確かにしたのです。

…こっちから鳴き声がする!

確信に満ちて茂みを分け入ると、
小さな木の根元に茶色の毛玉が、横たわっていました。

猫でした。

でも、もう、動かない。
猫だったもの、がそこにありました。

近所の飼い猫だと幼なじみが気づき、
その家のひとを呼んで猫は連れて行かれ、
山に埋められました。

その年はヘリを使用した大規模な農薬の散布があり、
農薬を食べて倒れたネズミを、猫が食べて息絶えたようだと
後で聞きました。

最後の力を振り絞って
自分はここにいるよ、見つけてよ、と知らせたかったんでしょうか。
人間の勝手でこんなことになっちゃったよ、と言いたかったんでしょうか。

それから何匹もの猫の最期をみてきましたが
不思議な体験はその一件だけでした。
でも、猫をみていると、しゃべれないけれど伝えたいことが
たくさんあるような気がして、ずっと観察してしまいます。
まったく、不思議な生き物です。


min.


*******今月の「これ、良かったんです」***********
皆様、履歴書だとか諸々の書類の“趣味”の欄になんと書いていますか?
私はダンスもさることながら、定番の“読書、映画鑑賞”とも書く人種です。

ここでは勝手に皆様へお勧めの本、映画などを
私の偏った趣味の中で、思うに任せてご紹介します。
You Tubeなどに映像があがっているものもありますので
気が向いたらチェックしてくださいませ☆
*********************************

『秒速5センチメートル』
新海誠監督(2007年3月公開)

「ねえ、秒速5センチなんだって。」
「うん…?何が?」
「桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル。」

そんなイントロから始まる短編3連作アニメ映画。
様々な賞を獲得している監督の作品という事で、
ご存知の方も多い(?)かも知れません。
でも、特にアニメには興味ないし〜という方にもおすすめです。

小学生の仲良しの男子と女子が、転校する事で離ればなれになり、
手紙のやりとり(メールではない)をするところから物語は始まります。
特に、ドラマチックだったり、何かが起こる訳でもありません。
ひらたく言えば、青春ラブストーリーです。が。
“何も起こらない”ことを描ききって作品にするって。並じゃないです。
二人の間には、決定的な障害がある訳ではないけれど
様々な流れの中で変化せざるを得ない。
環境や感情や距離が、大切なものも必ず変わって行く。

“スピード”がテーマのひとつであるこの作品。
手紙の、メールの届くスピードや
待つ方、待たれる方の時間の過ぎる感覚、
田舎と都会の流れの速さの違い…
小学生と社会人では同じ人生の中でも、
変化して行くスピードは確実に違います。
変わっていくことを、淡々と静かな視点を持って、丁寧に細やかに描かれています。

そして、背景美術がなんといっても秀逸!
記憶の中の風景を描く、というところで細部まで描ききっていない事が
ポイント、と監督の話があるのですが、
本当に記憶の中にある風景と合致するので、電車好きな方には必見です。
ところどころにデジャヴを感じます。
もう戻らないけれど大切な時間の空気、匂い、光の加減。
懐かしい記憶を呼び戻すスイッチになるかもしれません。

そして主題歌が、山崎まさよしの10年前の名曲
「One more time,One more chance」。

短編集なので忙しい方も構えず見られます。
ひとりで懐かしい思い出に浸るもよし、
大切なひとと見るのもよしな一本。
さて、誰を思い出しながら観ましょうか…
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