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□■ スタイル
2007/01/27 17:25
男は”スタイル”というものに憧れを感じるものだ。

この場合の”スタイル”とは、姿や格好という意味合いのものではない。
むしろファッションスタイルやライフスタイルに通じる美意識的なもので、
例えばダンス部で言うところのマッスーなど、
”ブーツに皮ジャン。ロックにハーレー”と、徹底したこだわりを持っているし、
ひたすら”キャメル”しか吸わないモロダのそれも、
それはそれで”スタイル”と呼べる気がする。

要するにスタイルとは大小に関わらず、
その人自身のこだわりが意識せずとも身に染み付き、
認知されることで初めて”スタイル”と呼ばれるのではないだろうか。
(かなり持論)
そして若ければ若い頃ほど、
この”スタイル”というものに憧れを感じたりもする。
(これも持論です)

そう言う私も、若い頃はこの”スタイル”というものに
かなりの憧れを感じていた1人である。
男は”タバコも強いものを吸った方がかっこいい”みたいな勘違いをし、
ショートホープやピースを吸っていた。
しかし本当はマイルドセブンの方がおいしかったし、
何ならスーパーライトでも良いぐらいだった。
思い出すだけで恥ずかしくて仕方がない。

今ではすっかり禁煙。
男も30を超えると健康が何より一番です。
本当に。

かつての私の上司に、大変仕事は出来るが、
少々わがままで子供っぽいところのある男がいた。
とにかく実力があったので周りからも尊敬を集めていたのだが、
仕事に対して潔癖なうえに短気で、
段取りが思い通りにいかなかったり、気に入らない変更などが入ると、
まわりにあたり、どなり。ごみ箱を蹴飛ばし、物を投げつける・・・。
しかし、こと遊びに関しては先頭にたって一緒に楽しむ。
何とも愛すべき上司だった。

私は入社から数年間をこの上司の下で働いた。
何を教えるわけでない。
仕事の仕方を横目で見ながら、自分で考え、行い。
会話の中から意図を読み取り、読み間違え、どなられ、
ごみ箱を蹴飛ばされ、一緒に飲みに行く。
こんな日々を過ごした。

ところでこの上司、少々変わった仕事の仕方をしていて、
その特長のひとつに万年筆があった。

私が入社した頃は、まだまだPCも普及し始めたころで
図面を描くのはドラフターが主流だったが、
一本の万年筆で何でもこなしていた。
図面(製作図以外)、スケッチ、打ち合わせ。
その技術は素晴らしく、また味がある。
スケッチなどは、へたなパーサーが描くよりよっぽど伝わるものがあり、
クライアントのうけも大変良かった。
一度聞いたことがあるのだが、
いろいろ仕事をしてきた中で、
一番自分になじんだ方法がこれだったそうだ。
まさにこれこそが”スタイル”である。

そんな上司との日々を過ごした後、
私は新しいフィールドを見つけ、現在に至っている。

私がいよいよ上司の下を離れる時、
包装された箱を手渡しながらこう言った。

”まるで、自分の手の一部になるまで描き込め!”
中には一本の万年筆が入っていた。

それからさらに数年が経ち、
今では私も人を使う立場にある。
自分で買い求めたものも含めると
万年筆も数本になった。
今となっては作業のほとんどをPCで行うが、
それ以外を私は万年筆を使う。
そして時々、ごみ箱も蹴ってみたりする。

最近会社では、万年筆が私のトレードマークのように言うが、
言われる度に気恥ずかしくて仕方がなく、
同時に、何だか叱咤されているような気持ちになる。

スタイルと呼ばれるには道半ば。
まだまだ描き込みが足りないらしい。







まだまだつづく

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