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□■ 「夏の思ひ出その2」
2008/07/05 23:45
その当時、岩井海岸で実際に僕が描いていたスケッチが出てきたので、上手じゃないけど、紹介しようと思う。



これは、練習の間の昼休みの時間に、森田が昼寝をしていたところをスケッチ



朝早く、永井荘の裏手にあった小高い山(丘?)から朝もやが昇り行く様子をスケッチ
題名「海に行って山を描く」となっている。日付は9月1日、合宿2日目だ



浜辺にて、
腰掛けている人物はジメンジ
当時ジメは恋の悩みの真っ最中。一人たそがれているところをスケッチ
題名「人が心を開く場所」とある…。日付は9月6日 帰る日だ
なんだかとても切ない感じのする絵だ。






場面は夜の食堂のシーンへと戻る。

まったりとした雰囲気の中、繰り広げられる特に何の内容もないバカ話は、何とも心地よいものであった。
そーださんとあーさんの掛け合いは いつも最高に息が合っていて楽しい。
僕はもっぱら、二人の頭の回転の速さに感心しながら、笑って聞いているだけだった。

ジメやヒデキは、よくあーさんやそーださんのフリについていける方だった。僕は頭の回転が遅いものだから、リアクションが他の人とちょっと違うらしく、僕が何か一言言うと、必ずそーださんから、
「カッカッカッ、、、大五郎おもしれー。」
と突っ込みを入れられた。
僕は実際、何が面白いのか解からなかったのだが、とりあえず皆が笑ってくれるので一緒になって笑っていた。

「あっ!!」
そんな場の空気が、一瞬にして凍りついた。
天井に、一匹の黒い物体が…。

ゴキブリである。

「で、でかい!!」
クロゴキブリである。今残っている記憶で多少大げさに見て6~7cmはある。
*資料画像

実は何度か、この永井荘では既にゴキブリに遭遇していたが、いずれもチラッと見かける程度で、我々のくつろいでいる団欒の場所に、いきなり割って入るように現れたのは、これが初めてである。
永井荘のゴキブリは、よほど栄養が行き届いていたのか、いずれも大物揃いであった。
本当に、大きかった…。


「おい赤人、おまえ何とかしろよ。」
そーださんが言う。(あーさんは本名を赤人という。)
「オ、オレかい おい…。」
そんなやりとりがあったような、無かったような…。

あーさんはしぶしぶ、スリッパを手に持ち、片足をスツールの上、もう片方をテーブルの上にかけ、多少、怖気づいた腰つきで、天井に じっと止まって動かない大きな黒い物体に狙いを定めた。

『奴』は動かない、
ただその長い二本の触角が、不気味に、うねうねと動いている、

ご、ごくり。


あーさんのスリッパがアンダーハンドで繰り出される。
腰が引けた状態からの一打は、空しく空を切り、
ボドッ
その黒い『奴』は、テーブルの上に落っこちてきた。
次の瞬間!!
パーーーッと奴は、急に物凄いスピードで、なんとこの僕の方へまっすぐ、突っ走ってきた!!!!!


「くるなあああああっー!!!」
とか何とか言ったかどうかも定かではない。
なにしろそこから先の僕の記憶は、全て定かではない。
完全に、プッツンしてしまったからだ。

後の話によると、「ジョジョの奇妙な冒険」の空条承太郎のスタンドばりに、
「オラオラオラオラオラァ!!!」
と叫びながら、スリッパで『奴』をぶっ叩きまくっていたそうである。

一人と一匹の、壮絶な闘いは、テーブルの下の床の上で決着がついた。

奴は、跡形もないぐらい 木っ端微塵に打ち砕かれていた。
僕は、わきの下に大量の汗をかき、大きく肩で息をして、その場に呆然と座り込んでいた。

辺りの場の雰囲気は、時が止まったように 「しーーーん」と、皆あっけにとられて、その光景に釘付けになっていた。


僕は、まだ正気に戻らず、周りも全く目に入らない興奮状態で、
手に持ったスリッパを、テーブルの上にポン、と置いて、その場を立ち去ろうとした。

「おい大五郎!!! スリッパ! そのスリッパ、テーブルの上に置くな!!」

そこで初めて声を発したのは、そーださんだった。

「ふー、 ふー、」

肩で息をしながら、僕はそーださんの方を見た、そして
テーブルの上のスリッパを持って、そして隣のテーブルの上それをポン、と置いて、何処へ行くでもなくその場を立ち去っていったのだそうな…。
さすがのそーださんも、もうそれ以上、僕を呼び止める事はなく、ただ黙って、見送る事しか出来なかったという…。






笑えない…。







今、こうして文章を書いていても、わきの下にたっぷり、大量の汗…。
恥ずかしさ半分、自分の描写力に自分で恐怖、半分である。

話はそれるが、僕は、この世の中でゴキブリほど怖いと感じるモノはない。
特にあの「じっ・・・・・・・・・・・・」
としている所から
急に「ササーーーーーーーーーッ」
と動き出す瞬間が、たまらなく怖い。

多分これは、僕の前世か、遠い古い先祖からか、DNAに刻み込まれた恐怖感なのだろう。

『奴ら』は、人間の事をナメている。確実に、あざ笑っている…。

「お前等が滅んでも、オレたちゃこの地球上に棲んでいられるんだぜ」
「お前等がサルの頃から、オレたちゃ全部、知ってるんだぜ」、、、
そんなセリフを、言ってるように聞こえる時さえある。

ま、余談っちゃあ余談だが…。




まあ、こんな出来事があってから、その後の夏合宿で僕が、ゴキブリをネタにさんざんイジられた事は言うまでもない。
しかし、結果的に、その一件のおかげで、僕は、ダンス部の全ての人と一気に打ち解け、何だか、今までかまえていた人間関係が、

「オレって、こういう感じのハチャメチャキャラでいいんだ…」

的な感覚で、凄く構えずに行けるようになった気がする。




そして怒涛の夏合宿は、まだまだ続く。

何だか、文章としてうまくまとまっちゃった気はするのだが、
まだまだ続くのだ。

季節は、もうすっかり 夏・・・・。
しかし、現役生が夏合宿直前を迎える夏本番!!
来月まで、このまま引っ張る事にする。

どうか お付き合いを・・・・。
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