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2007/01/21 22:47
彼が変わった。
いつ頃からなのか正確には判然としないものの、なにかが違う。
言ってることの頭が悪すぎる。
口に出す言葉の9割が、下ネタになってしまっているのだ。
知り合って15年くらい、たしかに少しおかしいところはあったものの以前はここまでではなかったはずだ。
そういえば彼に変化の兆しがあらわれたころ、気になったことがある。
目だ。
いつものように下ネタを言いまくりながらはしゃぎまわる彼の瞳には虚無が宿っていた。

 

飲みの場も、深夜におよぶにつれて、深い話になっていくことがある。
それまでエロトークに咲き乱れていた話題が、将来についての真剣な話題にうつっていった。
「語り」的な雰囲気。そうなると彼はとたんにトーンダウンして無口になっていき、あからさまに寝始めた。
そんな姿をしばしば目にする。
あるときの飲みの帰り道、彼は言った。
「もう、こういう場ではアホなこと以外言いたくないんだよ」



ジメンジ氏の結婚式の二次会で我々は寸劇の出し物を用意した。
シナリオを手直ししている段階で、彼がセリフの追加を申し出る。
「ここで『みんな、死んじゃえばいいのに』っていれたいんだけど」
めでたい席には、あまりに似つかわしくないセリフであったため我々は全力で阻止した。
いまにして思えばなにかのSOSを発していたのかもしれない。
胸に犬人間と大書きして舞台に立つ彼は「土下座together!」などと言いながら、なにを思っていたのか。



去年のゴールデンウィークに同期のみんなが葉山で集まってバーベキューをした。
それぞれ子どもを連れてきたりして、ひさしぶりの再会を祝し、浜辺でおだやかなときを過ごす。
そのなかで彼はひとり瘴気を放っていた。みんなもそれとなく気を使っていたように思う。
彼は離婚していて、子どもに会えるのは月に一回程度の「面会」のときだけだという。
「こう見えても、子どもの相手は得意なんだよ」
たしかに白い粘土でDrスランプ仕様の巻きグソをつくって肛門期のチビッコたちの心を鷲づかみしていた。



新年会のさいも彼はフルスロットルであった。
その日は「ペッティング」という言葉が琴線に触れていたらしく、終始うれしそうに連呼していた。
ただ、やはりその瞳は、枯れた井戸の底のように乾いていたように思う。
二次会で彼は「ペッティング」をいい過ぎたという理由で先輩にひどく怒られていた。
帰りのタクシーのなかで、神妙な顔しながら彼はつぶやいた。
「やっぱり『素股』どまりだったら、よかったかな……」



なぜ彼はこうなってしまったのか。
あるとき、彼のおどけた行動の奥にひそむ深い悲しみを知った。
祝いの席や楽しい場に、彼は一体どういう気持ちで参加していたのだろう。
こころにサンドペーパーをかけるような心境でのぞみつづけ、いつか磨耗したにちがいない。
彼の下ネタは、精神の均衡をたもつためにとった最後の手段ではなかったか。
目の前にある幸福と自分の置かれた状況、下ネタに徹することよって、ともすれば崩れ落ちそうになる自分を鼓舞し、乗り切って行く。
彼の変化の正体は、そういう修験者のような一徹の覚悟のあらわれであった。



彼とは、無論タマの裏のしわの数をかぞえて確認するまでもなく私のことです。
まぁ、そんな個人認証の方法はないのですが、実はこのブログを今回をもって終了とさせていただきます。
ジメンジ君、勝手を言ってすみません。
理由はいろいろあります。ぶっちゃけ金がらみの話です。嘘です。
ただ下ネタばかりの私の話、言ったり書いたりしているのは楽しいのですが、ひとに不愉快な思いをさせてまで続ける必要はないでしょう。
それと投稿日が決められているこのような状況では、ブログを書くことが実際負担になってきており、文章を書くのが遅い自分には続けていくのは難しいと判断しました。
ムリヤリ書いた今回みたいのは書いてる自分もおもしろくないのに読んでおもしろいはずがない。
あと直前の担当である諸田氏が書くブログのおとなげないほどの高いクオリティ、正直プッレッシャーです。なにが彼をここまでかりたてるのか。
まぁそれはさておき、まことに申し訳ないのですが辞めさせていただきます。
発表の場をあたえてくれたジメンジ氏をはじめ、コメントをくれた皆さま、そして読んでくれた全ての人に感謝します。
ありがとうございました!
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