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□■ 私が被告になった日
2008/02/01 09:00
さわやかに晴れた、ある日の午後のことだった。

部屋の掃除をしていると、階下でチャイムの音がする。

階段を駆け下りて、玄関を出る。なんだろう、書留か。カードの期限切れはまだの筈…。

門の外には配達人が立っていた。


「○○(←苗字)みのりさんですか?」
「はい。」
「ご本人ですね?」
「…はい。」

かつて、配達人からこんなに厳重に本人確認をされたことがあったろうか。
しかもなにやら分厚い封筒を持っている。ちょっと緊張。

「それではこちらに名前と住所をご記入ください。」

用紙を挟んだクリップボードを差し出してくる。
じゅ、住所まで!?これは確実に、今まで受けとったことのない郵便物だ。緊張しまくって字がめちゃめちゃ下手になってしまう。

「それでは『東京都○○市△△町□-□、○○みのり』様、確かにお届けいたしました。」(←復唱するのか!)
と言って配達人が手渡してきた封筒は、なんと、隣県の簡易裁判所から送られた物で、郵便の種別としては「特別送達」というものだった。


裁判所からの、分厚い封筒。

誰が愉快な想像をするだろうか。
「わんくりっくさぎ」とか「かくうせいきゅう」といった、自分とは対岸に位置していたはずの言葉が頭を駆け巡る。


奇しくも、空は雲ひとつない快晴。霹靂が脳天めがけて直撃してきたようだった。


封筒を持って二階の部屋へ駆け上がる。

慌てて封筒を開けて出てきたのは、A4の用紙一枚と二冊の厚い書類。

用紙を見て、まず最初に目に入ったのは、書面中ほどにある、

「被告 ○○みのり殿」

の文字。軽く眩暈がした。

己の名前の頭に「被告」という文字がつくだなんて。全く予想もしなかった。
必死で用紙に書いてある文章を読もうとするが、完全にパニックを起こしてしまった頭はさながらパリッパリに糊の効いた布巾のようで、書いてある内容を一向に吸い込もうとしない。

それでも何とか深呼吸をし、頭から文章を読んでみると、その書面は、いわゆる裁判所の呼び出し命令というやつらしかった。

「アンタを訴えるという訴状が提出されたからウン月ウン日に裁判所に出頭してチョーダイ出頭するなら答弁書を作って前もって出しとけやコラ!」というようなことが書いてあるみたいだ。

文面の最初には「所有権確認事件」とあり、「原告 ××◇子」という、聞いたこともない人の名前が。
そしてその下に「被告 ▽▽□子 他64名」と書いてある。
はじめ、「他64名」が原告側のほうに書かれていると勘違いしてしまい、なんという大人数の原告団に訴えられてしまったのだろうと本気で泡を吹きそうになったのだが、すぐに間違いに気付いた。

どうも私は、▽▽□子さんを筆頭とする、被告65人のうちの1人となってしまったらしい。

では何を訴えられてしまったのか。

その裁判所が管轄する地域の、とある土地の所有権が原告側にあることを認めて欲しいという内容の裁判らしかった。


◇子さん側が提出した訴状によると、ことの発端は年号が大正でも明治でもない、もっと昔の話である。◇子さんのご先祖様が持っておられた大きな土地の中程に私の父方の先祖の小さな墓地があったのだが、墓を引き払った後に先祖同士の間で了解をとり合い、元墓地を含むすべての土地を◇子さんご先祖が使用していた。代替わりするうちにそんな事実は忘れ去られ、フツーに家も建てちゃったりしていた。
そして時が経ち、その大きな土地の現所有者である◇子さんが、恐らく家を建て替えるか土地自体を売ろうとしたかで事実を知り、弁護士などに相談の末、所有権を得るためその土地の現在の所有権者である65人を相手にこのような裁判を起こしたのだろう。
では今まで、その元墓地だった土地の税金などは誰が払っていたのだろうか?こちら側の一族に明確な相続人がいないためにこのような裁判を起こされたのだから、こちらには税金を払っていた人間はいないはずである。謎ではあるが、多分うやむやになっていたのだろうと推察する。


驚くべきは、その書類(訴状の写し)の内容である。
一冊目は、その土地の成り立ちについて、および元墓地の土地の相続人すべてを明らかにした家系図と相続人の氏名・住所一覧であった。
弁護士なのか、代書屋さんなのかはわからないが、よくもここまで調べ上げたものだと感心してしまった。
何しろ被告が65人もいるわけで、そのすべての人に住所・氏名・年齢など個人情報満載な書類がバラ撒かれたのである。
保護法もクソもない。なんだかなーである。
家系図にいたっては、A3用紙6枚分もある。産めよ増やせよの時代を含んでいるものだから、図が横に長い長い。何人産んでんの?ってくらいだ。図の中に自分の名前を見つけるのにだいぶ時間がかかってしまった。やっとのことで見つけた私の名、は家系図ピラミッドの最下層に位置していた。

二冊目は問題の土地、およびそれを取り囲む◇子さん所有の土地の登記簿の写しや図面、地図その他もろもろである。
トシさんをはじめ建築関係のプロの方が見ればすんなり認識できる内容の書類だと思うのだが、何しろ初めて見る代物だけに、まず頭が拒絶反応を示す。それにしても、役所の書類って、何でこんなにわかりづらいんだろう。何もわからない人が見てもきちんと内容が理解できるような書類に出来ないものなのか?!不親切極まりない!「筆界未定」とか「分筆」とか、わけのわからない単語を並べられても、なんのこっちゃまったくわかりません!

65人が所有権を持っているというその土地は本当に微々たる物で、現在の価額を単純に65人で均等割すると二千数百円になってしまうのだが、当然均等割りなんてことは有り得ないわけで、ピラミッド最下層クラスの私の取り分は数百円くらいのものと思われる。裁判に出ようにも答弁書を作るために本を買うだけで赤字になってしまう。ちょっとウケた。



最初の用紙の一番下に、小さな文字で「アンタが答弁書も作らないで出頭もしなかったら原告の請求どおりの判決が出ちゃうかもねかもねそうかもね」的なことが書いてある。要は何もしなくていい、ていうかするな!ってことだ。


突然送られてきた、裁判所からの分厚い書類。
焦った焦った。本当に狼狽しまくった。
原告&被告=民事裁判だとわかっていても、「被告」の文字が名前に付けられているのを見ただけで、気分は無実の罪人である。これは困った!と思ってしまった。

それにしても、もっと穏やかなアプローチはなかったものだろうか?
裁判を起こすにしても、前もって、「これこれこんな感じの書類が届くかもしんないけどビックリしないでね。どうぞそこんとこヨロシク」みたいな手紙を一筆書いて送ってくれたりしてたら、こんなに慌てふためくことはなかったのに。
僅かではあるが、赤の他人の土地を自分の物にしようとしているのだから、それくらいしてくれてもいいってもんじゃないか。
いきなり被告呼ばわりかよ!感じワルっ!
それともそういうことはしちゃいけないのかしら?法律にはトンと疎いのでよくわからないのだが。

とにかく、大したことでなくて良かった。
タイトルだけセンセーショナルですみません。


全然関係ないですが、お口直しにこちらの動画をどうぞ。

ボディビル部

何度見ても笑えます。
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コメント
すごい数の被告人ですな。

所有権というか、おそらくその土地の相続権を持っている人の数なんだろうけど、これを依頼した原告の人、弁護士か代書屋さんか、いずれにしてもすごい費用がかかったんだろうな。土地代よりも高くついたのでは?

でもこりゃビックリだね。
いきなり訴えられた日には。

確かに私も、仕事柄色んな土地に出会うけど、なかなかないよこれは。

そういやうちも、数年前亡くなった義父の田舎の土地に、明治時代の抵当権らしきものが付いてた。
債権額は80円。
たしか司法書士さんだかに弁済の手続きしてもらって、その抵当権は抹消してもらったけどね。
けっこう面倒だった。

ホントこういうのの手続きって、もっとどうにかなんないモンかね。
【2008/02/02 01:49
WEBLINK [ ] NAME [ トシ #2a136fcbb3 ] EDIT
これ好きです(・ε・)/時々ケーブルのアニメチャンネルでやっててついみちゃいます。
【2008/02/02 06:12
WEBLINK [ ] NAME [ じゅん #2954a4f80e ] EDIT
いきなり被告人なんて頭に付けられた手紙がきたら
頭まっちろになっちゃいます==;;
原告の人も事前になんらかの連絡くれていれば、
会ったこともない他人に気分を害されることもなかったのに・・・
でもこういうもんなんでしょうか・・・
なんつーかせちがらいっす
【2008/02/02 17:33
WEBLINK [ ] NAME [ マヨ #98fee35d4a ] EDIT
≫トシさん
抵当権!そんなものがついている場合もあるのですか…。しかも80円とは…。
80円ぽっちに手間隙掛けさせられたらたまったもんじゃないですね。
今回のトシさんの記事といい、私の出来事といい、土地に関わる人の大変さが垣間見えました。頑張ってください。

≫じゅん
アタシもコレ好きなのよね~。DVD全巻持ってるわ。
声を演じている彼ら、声優ではないのよね。ほとんどがアドリブらしい。素敵だ。

≫マヨ
ホントに驚いたわ。参ったよ。
気になるのは郵便屋さん。
手渡しながら、「コイツ何やらかしたんだ~?」って、絶対思っていたね。
全然大したことじゃなかっただけに、とても悔しい。
【2008/02/02 23:33
WEBLINK [ ] NAME [ みのり #57551f8c16 ] EDIT
いやこれ、ヒドイ話だと思いますよ。さぞかしビックリしたでしょうみのりさん。こりゃ誰でも驚きますって。

それにしてもみのりさんが書いてたように、人の土地を自分のものにしようとしてるのに、被告呼ばわりでいきなり書類送りつけるなんて、どういう神経をしてるんでしょうか。

まったく、ひど過ぎです。
ひとことあるべきですよね...。


ボディビル部・・・なんかウケました。
部活って・・・なんか面白いですね。
【2008/02/05 00:10
WEBLINK [ ] NAME [ じめ #8d3edf2b52 ] EDIT
本当にビックリだったわ。
行い正しく生きています!なんて決して胸張って言える様な人間ではありませんが、フツーにしてても「被告」になってしまうことってあるんだわよ。まったくねぇ。

ボディビル部、彼らは高校生という設定なのだよ。あのアニメは「日産note」のキャンペーンキャラにもなっているのよね。試乗するともらえるDVDがあるらしく…。欲しい!
【2008/02/12 23:21
WEBLINK [ ] NAME [ みのり #57551f7e1b ] EDIT
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