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□■ わたしの耳は貝のから
2008/04/03 23:59

『そうだ、京都行こう』



JR東海のキャンベーンコピーである。


バックグラウンドに流れるMy favorite thingsの軽快優美なワルツにのせて映し出される春の古都。八雲立つ花々の奥から現れる古刹の幽玄が、彼岸のこの世に暮らす我々を誘う。


「・・・そうか、そうなのだ。私は今、京都に行きたいと感じたのだ。」

人が、「旅に出たい」と思うきっかけの一つに、このCFはなり得ている。


もちろんのこと、旅客旅行会社のコマーシャルのみが人を旅の空へと駆り立てるのではない。
そのきっかけはさまざまであろうが、日々の生活の中のある刹那に「ふと」思ったりしたことが、十分なきっかけになり得ることもある。
「そぞろ神の物に憑きて心を狂はせ」始めるきっかけに、である。


夢にまでみたあの地に、行ってみたい。

だれもがそれぞれに、思うところがあるだろう。



さていきなり話は飛んで、「夢にまでみる」夢の話。
夢と言っても立身出世やアメリカンドリームなどのそれではなく、睡眠中の夢である。
私は眠りが浅いためか、ほぼ毎日夢を見る。だいたいは他愛無い普段の生活の中の一風景であったりして、それが脈絡なくつながってゆく曖昧模糊としたものなのだが、私には幼い頃より何度となく見ている特定のシチュエーションがある。
それは「空を飛ぶ」夢だ。

大きく拡げた手足を翼に、空をかいて浮かびあがる。なんというか、飛ぶというより泳いでいる感覚に近い。

中空に吹く風に対し手のひらに仰角を付け一気に上昇。遥か高空、ではなくおよそ100m弱と言ったところから眼下の街を鳥瞰する。そこは見知っている家の近所であったり、通っていた学校であったりする。
リアルな高さ、リアルな風景、そしてなによりリアルな飛行感覚が実に気持ちいい。
さらにかき揚がって高圧電線鉄塔を越えるころになると、今度はリアルに高所の恐怖感も感ぜられる。上空の風は強く、吹き付ける風に対して体を水平にせねばどんどん後ろに流されてしまうほどだ。強風に涙を切らせながらしばしの高空眺望を楽しんだあと、頭を下げて一気に下降。ゴォォッという風切り音とともに、家々の屋根がぐんぐん迫ってくる。


この「空を飛ぶ夢」というものは、一般に「逃避願望」と診られるそうである。
私の場合あまりにリアルな感覚なので、それが深層心理からあれいでたものであると言われると正直戸惑いを覚えるが、確かに私は人よりも「逃避願望」が強い、という自嘲にも似た自覚があるので、なるほどそういうものかも知れない、とも思う。


・・・なにやらあちらこちらとふらついて冗長になってきたが、ここで話をマージすると、「そぞろ神に憑かれた心」と「逃避願望」の二つは、共鳴しあうものだ、と、そんなようなことを書こうとしているつもり。



春を迎え心機一転、まうログもリニューアルスタートというまことに喜ばしい新年度4月なのであるが、私は未だ前年度をおもいッキリ引きずっている状態である。今までも何度となくごめんなさいとかゆるしてとか言ってきたが、先月半ばから続いている物件が相当ヤッカイで、ここのところかなりクリティカルな状態に置かれている。


そんな中、2週間ほど前、フッと一日予定が空いた。
重複させている工事工程のうちの一つが一日早く終わり、ひとつが一日ずれたためである。
なかなか休みもとれぬまま朝早く夜遅い日々が続く。折角一日空いたのならゆっくり休んで明日からの業務に備えるべきであろう。



ところが朝起きて、フと、思った。




『・・・そうだ、海、行こう』




学生の頃、『海』と『課題』という全く異なった概念がニアリーイコールで結ばれていた私。

・・・まだ、勘違いしたままなのか?




きっかけの一つが今なにかと話題の整備計画道路。
先月ここ群馬で北関東道という高速道路が区間開通した。
前線開通はまだ2年以上先のことでまだ細切れ状態なのであるが、ゆくゆくは関越自動車と東北道・常磐道をつなげるものである。

この新しく開通した区間を通ってみたい。
そして常陸・茨城の海へ行ってみたい。


そぞろ神に、そう、誘われて、この胃が痛い毎日の世界から逃避した。
まぁ休みなんだから逃避という言葉もなんだけど。





そして私は、大洗(おおあらい)の海へ。
閑散とした砂浜で一服し、工事現場で毎日使っているためクルマに詰みっぱなしのカメラで海を写してみた。






ざぁぁぁっ・・・・






・・・っっぱ!ぁぁぁ〜ん











♪名も知ら〜ぬ 遠き島よ〜り(←多分この近辺) 流〜れ寄〜る

流木一つ。

松ぼっくり一つ。



語呂悪し。








さんふらわあ。

船腹をよく見ると「ふらの」とある。


「富良野か・・・」


すぐそこのターミナルまで行き、チケットを買えば、乗れるのである。
行けるのである。



むこうの世界へ。



あと10年若かったら、乗ってたかもしれない。

サイフに(口座にも)金入ってなかったろうけど。




******


海は、いいね。



群馬にゃ、ないが。


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コメント
空を飛んだ夢をみたことが無いので、ちょっと羨ましいです。
私の逃避願望はひたすら「何か怖いものに追われて逃げる」で表されます。直接的です。

大洗の海、綺麗ですね。
綺麗で雄大でシンプルで癒される感じ。。そういうものってきっと人生に必要ですよね。
富良野へ行っちゃったら、新しい人生の幕開けになりそうです。笑
【2008/04/04 21:04
WEBLINK [ ] NAME [ pepe #92dc5daa99 ] EDIT
世代なのか、「さんふらわぁ」を見るとノスタルジックな気分になります。
行ってしまった方がいいよ、むこうの世界へ、きっと。
【2008/04/04 22:09
WEBLINK [ ] NAME [ TAKE #9b39811a10 ] EDIT
この写真、なんだか好きです(^-^)
【2008/04/05 00:44
WEBLINK [ ] NAME [ じゅん #575242fd69 ] EDIT
御存知の通り、岐阜も海ナシ県。あの場所はまさに別世界。現実からかけ離れた空間。行きたくなる気持ち、よく分かります。
今の自分の場合、すぐに行けるので嬉しいですね。ボーっと座ってるだけで、スッキリします。

ところで飛ぶ夢、僕も小さい頃によく見ましたね〜。
よく覚えてるのが、路面ギリギリをスイ〜〜っと這うように飛ぶんです。楽しいんですよ。
完全にプールの潜水の体験からなんでしょうけどね...。
最近は飛んでないナァ...(^_^;; 飛びたい。
【2008/04/05 00:58
WEBLINK [ URL ] NAME [ じめ #99c55f09b2 ] EDIT
いや~、ヒヤヒヤしましたよ~、後半。

北海道、行ったのかと。。。









すべてを捨ててwww
【2008/04/05 09:37
WEBLINK [ ] NAME [ いちろー #5497d27678 ] EDIT
海は最高ですね。
人気のない海なんて特に最高です。

私も飛ぶ夢をよく見ました。
自由自在に空を駆る爽快感とドキドキ感。
本当に飛べたらいいのになあ
【2008/04/06 19:12
WEBLINK [ ] NAME [ まよ #98fee35d4a ] EDIT
海を見に行くと、頭の中が本当に海で一杯になってしまうんだよね。
自然の驚異に、軽く危機感を覚えるからという気がするんだけど。アタシだけ?

でも海いいよね~。

空飛ぶ夢。アタシいっつもうまく飛べない。低空飛行だったり、ノロノロだったり。ものすごくストレスたまるんだよねー。
いいなー、思い通りに飛んで快感を味わいたい!
【2008/04/08 17:53
WEBLINK [ ] NAME [ みのり #57551d358a ] EDIT
>ぺぺ
「何か怖いものに追われて逃げる」くらいに、
人のこころは素直なほうがええんちゃう?って思うぞ(笑)
「綺麗で雄大でシンプルで癒される感じ」
そうだよね、絶対必要だと思う。でもオレの場合学生時代に過剰摂取したらしく
副作用がヒドいんだよなぁ(笑)

>竹歳さん
あぁぁ、私も幼い頃トミカのさんふらわぁを持ってた覚えがあります。
「トミカのさんふらわぁ」って微妙ですが。
逃げるにも勇気が要るんだからほんと人間ってヤッカイですね・・・

>じゅんじゅん
撮影者の心の内に渦巻く漠然とした不安と孤独が見事に表現された一葉です。接写するためしゃがんだら屁が出てしかたなかったのですが、香りも音も、潮風にかき消されて・・・嗚呼、ポエジー・・・(←バカですね)

>じめんじ
「潜水」、そう、それです!
ってか逃避願望とかじゃなくて、「太古の海の記憶」とか気の利いたこと
言って欲しいよなぁ。そのほうが断然ロマンティックだし。
悲しみのない自由な空へ飛んで逝きたいよォ〜
・・・多分、イカロスがオチだろうが。

>イ恥漏
まったく「www」がムカつくなぁ、なんだか『よ〜し、捨てたらぁ!!』って思っちゃうじゃねぇか(←おいおい)


あっ、アマチュア優勝おめでとう。「よく考えればスグわかるはずですよ」って言われてよ〜く考えたら3秒でわかりました。

>ひけた
「本当に飛べたらいいのになあ」
昔「遠くの人とお話出来たらいいのになあ」って思った人がたくさんいたことでしょう。人類はそれを可能にしました。それと同じように、将来人間は絶対飛べるようになるはず!・・・そう思うとそれはそれでたいへんくやしいものですね(笑)

>みのりちゃん
オレも海を見ると、普段見ているような風景と違って視界に基準点がとれない所為か、なんだかどんどん広がって行くような感覚に襲われて軽く目眩を覚えてしまう。

多分相当参っているときなんだろうけど、私も向い風が強すぎて掻いても掻いても進めない夢を見ることもある・・・
これこそ示唆的な夢だよね(汗)
【2008/04/30 21:00
WEBLINK [ ] NAME [ もろ #2893dd24fb ] EDIT
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