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□■ 27は危険な香り
2007/04/25 09:00
君たちファミコンは好きかい?ファミコン。

え?私?

もちろんさ。

いいよなぁ、NINTENDOのマリオBros.、KONAMIのグラディウス(オプションは2つまで)、NAMCOTのマッピーにゼビウス(アンドアジェネシスはノースクロール)、ENIXのドラゴンクエスト(復活の呪文は要筆記)に、ポートピア連続殺人事件(犯人はヤス)・・・

・・・何?、知らない・・・?



・・・え?

『時代は今“64bit”!?』・・・


*************


月へ行って帰って来たアポロを4bitコンピュータで飛ばしていた時代を下ることおよそ15年、日本で8bitCPUを搭載した家庭用ゲーム機が登場した。
その名は『ファミリーコンピューター』。
言わずと知れた、である。
ネーミングとはうらはらに「家族の団欒に悪影響をおよぼす」ほど少年達のこころをトリコにし、社会問題にまでなった。


先般このログを惜しまれつつ、
実は自分でも辞めると言っちゃったことを
ひそかに惜しんでいる風がないでもないまま
去って行った某K氏。

彼と私は同い年。

彼自身のライター紹介にあるとおり、
ベビーブーム世代の私たち。
あの功罪半ばするゲーム機と共に成長していった、
業深きファミコンエイデッドピーポーである。


さりながら、この私、実はファミコン所有者ではなかった。

うちの母は、入り浸りになっている友人達の家々にかけるであろう迷惑を気にしながらも、そのころすでに報道され初めていたTVゲームがこどもにおよぼす悪影響の数々を懸念し、決して買っては呉れなかった。
小学生の私に万単位の経済力などあろうはずもなく、「○○ちゃん家は買ってもらえたのになんでウチだけ・・・」と、定型ともいえる鬱屈を抱いていた覚えがある。

だが、母がいかに慧眼であったかは、後年大学生となった私がプレステを手に入れた後の事跡をたどることで分かる。


さてその小学生の私。買ってもらえず悶々としていたそんな折、突然父が
「これからの時代はマイコンだ。マイコンを買うぞ。」と言い出した。
恐らく仕事仲間と夜な夜な飲みながら、
「モロちゃんさ、これからの時代はよォ、マイコンだっつうがな」
などの話を聞いたためだと思われる。

オヤジというものは『これからの時代』という言葉に弱い。
先日も私と飲みながら、「これからの時代はインドだ。北京オリンピックが終わったら中国株を清算してインド株を買おうと思っている。間違いない。」と熱弁を振るっていた。私も「インドもIT関連は成熟期に入って投機性が薄い。これからの時代は流通系だ」などと言っていた覚えがある。血は争えないもの、いや、私もオヤジということか。

話が、逸れた。

「マイコン」である。

今ではマイコンなどと言うことばも聞かなくなった。
いや、“パソコン”ということばすら駆逐されつつある。
今ではPC・「ピーシー」などというが、ダンスホール・ディスコ・クラブが同じ系譜の上にありながらも、そのことばの表すところが時代のニュアンスやディテールまで含めたものであることと同様に、マイコンも独立性を持つことばであると考えるため本稿は以下「マイコン」で通すこととする。


 父は先ず学研まんが「マイコン・パソコンのひみつ」1冊を私たち兄弟に買い与え、「これを読んで何を買えばいいか考えろ」と言った。
 いくらファミコンエイデッドな私たちとて、当時その存在さえあまり知られていないマイコンのことなど小学生に解るはずがない。
 その本は「マイコンをつかってみよう」というHow to的な内容だったのだが、その教材としてTOMY製「ぴゅう太」とNEC製「PC-6001mk2」という2機種が採用されていた。
 巻末には「他のマイコンの紹介」というページがあり、この種の書籍においては異例なことに各機種ともきっちりと定価が記されていたため、判断材料として恰好であった。
 コモドールCM64、Apple-II、PC-9001(9801ではない!)、ソードM5、シャープMZ-1500・2000などなど、今はもう消えてなくなったメーカーのものも含め色々あったが、軒並み10~20万円超。こどもながらに「ありえない」と思っていた。

必然的に値段もそこそこな「ぴゅう太」か「PC-6001mk2」かの二択となる。
「ぴゅう太」は、今にして思えば実に画期的な「日本語BASIC」というプログラム言語を搭載したマシンだった。
「モシ A>5 ナラバ ヒョウジ“A ハ 5 ヨリモ オオイ”」という具合。
だが私たちは未だその先進性と精神性(ワビサビ)を解するほど成熟していなかったため、無難にNECを選んだ。
ウチのテレビがたまたまNECだったので「NECは大企業」だと思っていた他、なにしろその本のレビューに「これからも楽しいゲームがぞくぞく登場よていだゾ!」などと書かれていたためだ。

私は父に「これがいいと思う」と言った。
父は「なぜこれがいいと思うのか、父さんに説明をしてみなさい」と、
私たちにプレゼンテーションをさせた。

これからの時代、の教育の一環だったのだろう。

もちろん柔軟性に富み抜群の吸収力をもつ小学生の私たち。学研まんがのレビューさながら、他機種に比べこのハードが如何に優れたものでありかつコストパフォーマンスに優れているかを、搭載メモリ数や外部機器の拡張性まで含め説明した。もちろん父に解るはずもないのだが、当然私たちもメモリ数が何バイトであることが何を意味するかなど解ってはいない。

だが父は聞き慣れないセンテンスの羅列に私たちの努力(?)を
見いだしたらしく、満足したようだ。


一ヶ月ほどして、ついに我が家にマイコンがやってきた。

あこがれていたファミコン、ではないが、
「これでゲームが(家で)出来る!」とばかり、
我々は驚喜乱舞。
父は最先端の機器を手に入れた、という自身の先進性にご満悦。
多分夜な夜な仲間に語るつもりなのだろう。

母のみが「この子たちが傾斜しつつある方向」に戦々兢々としていた。


さっそくその年のお年玉で、ゲームを買った。当時¥3,000くらいだったか。
後に堀井雄二と共にあのポートピア連続殺人事件やドラゴンクエストシリーズを手掛ける、中村光一の出世作、
「ドアドア for PC-6001mk2」である。


『あぁ、もうこの感動といったら(恍惚)』


・・・・となるはずだった、のだがどうも想像と違う。
ファミコンならばカートリッジセット、スイッチオンで始まるのだが、当時のマイコンは、『カセットテープ』からプログラムをローディング(転送・読み込み)するのだ。

信じられるか?10代20代の君たち。テープだぜ。プログラム(ファイル)管理の媒体はカセットテープであったのだ。こんにちではカセットテープ自体目にしなくなったというのに。

まあそれはいい。カセットテープがマイコンの主流メディアだということは
学研まんがで習得済みだ。
しかしそのローディング時間の長さといったら、
我々の想像を絶するものだった。
すでに10分は経過している。いつまで経っても始まらないため
最初は「もう壊れたのか」と思ったものだ。

待つこと20分を超えたころ、突然画面が変わる。ロードが終わったのだ。
ホッとしたと同時に、不安を吹き飛ばすような感動に包まれる。
美しい画面だ。さすがフルカラー16色(笑)グラフィック!
だがそれも束の間、無邪気な少年達の一喜一憂は、
すぐさま決定的な失望に変わる。

遅い。鈍い。

なにしろ鈍い。入力反応も、キャラクターの動きも。
愛するファミコンのあのスリリングな躍動感は片鱗も感じられない。
これがマイコンの限界、なのか?ファミコンより高価なものなのに・・・。

そう、スペックは違えどマイコンもファミコンも
現在のコンピューターも仕組みは同じ。
マイコンがマルチタスクの構造設計であるのに対し、ファミコンはゲーム専用。
加えてそのゲームの為に“最適化”されているROMを搭載したカートリッジに、敵うはずはない。


こうして我々はゲーム機としての利用をあきらめ、
その後別の道を模索するようになる。


*************


あぁ、ログのアップが激しく遅れた上に
調子に乗ってこんなに長くなっちまった。
しかもここまで書いときながら実は主題はマイコンファミコンではない
という衝撃の事実。
そもそもタイトルの意味がわかんねぇままだよなこれじゃ。
でもここで終わらせたら「本当にオレが伝えたいこと」が中途半端なままになるし、わざわざ2回に分けて書くような内容じゃない。
あともう少しだけ許してね。
興味のない方はスルーして下さい。
(ってもうあなたはここまで読んでしまったわけですが)


*************


以下回り道をしながら主題に迫る。


その後模索した「別の道」とは何か?

そう、父が託した想い、これからの時代に対処すべく
プログラミングの習得に励んだのだ。
とは言え、情熱を燃やすその根拠はやはりゲームで、
「自分でゲームを作りたい!」だったのだが。

しかし「ゲームをつくりたい」とは言え、小学生には敷居の高すぎる話。
私は先ず何がしたかったのかというと、『キャラクター』である。
我々こどもたちをTVゲームにグイグイ引き込んだ要素のひとつである
キャラクターを、表示させてみたかった。
マッピーやソルバルウたちを、マイコンの上に再現するのだ。

そのためには「2進数」というものを知らなければならないと、本で知った。

そもそも点テンで表示されるコンピューターの文字やキャラクター。
たとえば「A」の文字は、コンピューターの根本情報である“0”と“1”から、次のように表される。





8×8マスから成り立つ文字が、現在でも「8byte文字」と言われるのは
右図のような構成によるためである。

もちろんカタチだけでなく、色もからむから現実はもっと複雑だが、
要はこの考え方をベースに、マリオもビックバイパーも描かれているわけだ。


0と1。


私は方眼紙に色鉛筆で16×16マスの飛行機や人物を描き、それを「0と1」に置き換え、さらにマイコン入力に必要である16進数という形式に変換するという気の遠くなるような作業を繰り返した。

そのためにマスターしたのが、以下の指折り2進法。
これは別にキャラクターを作る云々でなくとも、
覚えればなんと片手で31まで数えられるスグレモノ。
つまり一月は片手で足りる。
いや、両手の指10本を使えば
2の10乗-1=1,023までカウントすることができるのだ!

・・・まぁ指で1000まで数えねばならない局面が
今後の人生にあるかないかは別であるが。


老化防止には役立つだろう。






・・・・はあぁぁ、タイトルのオチってこんなもんかよ。


*********


さて、最後の最後にメッセージ。

80,8E,B0,40,80,80,7E,00 78,00,7A,82,02,04,78,00
78,06,00,00,00,80,7E,00 78,00,7A,82,02,04,78,00
20,FC,24,7A,A4,A4,68,00 08,10,20,40,20,10,08,00
40,C0,C0,54,64,C4,46,44 FC,08,10,20,40,40,3C,00
75,0D,00,00,00,80,7E,00 44,44,38,6C,92,92,6A,00
40,40,40,98,AA,CA,8C,00 40,E4,4A,88,9C,28,18,00
10,FE,10,08,88,80,7C,00 80,84,82,82,82,42,60,00

・・・は?何コレ?


つまり、こういうことです。





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CATEGORY [ 諸田勝春 ] COMMENT [ 7 ]TRACKBACK [ ]
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コメント
0、1。2進法。
A氏から昔聞かされていました。懐かしい。

先日4歳になった息子はすっかりPCにハマってます。
文字は打てませんが、自分の行きたいところをちゃんと開いてる。恐るべし子供の記憶力。
YouTubeでドラえもん、iTunesでお気に入りの曲をかけノリノリで踊ってます。
東京の住まいから秋葉は電車で数分、将来まちがいなく秋葉系ですな。
(諸ママ同様、なにか分からないが母は心配なんです。)
【2007/04/27 09:35
WEBLINK [ ] NAME [ みわこ #3c22fd3561 ] EDIT
最高。こういうの好き。
オチでパァ~っと視界がクリアになるようなのが多いね。いいわー。ちょっと吹いちゃったけど。

ウチの旦那、マイコンはもちろんファミコンも買ってもらえなかった人。お金持ち友人宅に入り浸ってプログラムしまくる日々を過ごし、現在の職業(SE)に至る。
少年期の欠乏感、渇望感は大人になったときに悪影響を及ぼすね。確実に。ゲーム機が出ると買わずにいられないんだよね・・。

父上、素敵なキャラクターですね。一度お目にかかりたいくらいです。
【2007/04/27 18:16
WEBLINK [ ] NAME [ みのり #57551bfa93 ] EDIT
我が家はシャープ派で、MZ1500,MZ2000,X1だたよ
【2007/04/27 20:43
WEBLINK [ ] NAME [ まっすー #98f8a05c9d ] EDIT
それにしても響いたのは、お父さんの教育方針の凄さ!
モノが欲しい理由をプレゼンさせるっていうのは、衝撃でした。

因みに私、いまだもって完全に起動する「ファミコン」を大事に保管してます。これは小、中と厳しい親の教育に対する「揺り返し」で大学時代に買いあさったもの・・・。
今でも時々やります。
嗚呼、「ボコスカウォーズ」がやりたい・・・。

でも結局、そうした経験の中から出た結論は、「ゲームって、自分の子供には与えない。」
かな?どうなんスかね。そこのへん
【2007/04/28 00:40
WEBLINK [ ] NAME [ 大五郎 #2ac029c168 ] EDIT
いやぁー。大好きですね。この話題(笑)

その手の数え方は知りませんでした。
そんなんがあったんですね〜〜。

マイコン(パソコン)の購入に関しては、やはり僕も似たようなものでしたね。
遊ぶだけのファミコンは×。パソコンならいいぞ、ということでMSXを買ってもらいました。

でも最初に買ったMSXはカシオのRAMが16Kですからね。ファミコンと比べたそのショックさは相当なもんでしたよ。

でも今考えると、そうして小学生ながらBASICに少しながら触れられたというのは、いい思い出ですよね...。(^_^)
【2007/04/29 02:11
WEBLINK [ URL ] NAME [ じめ #92c65d92ac ] EDIT
>みわこさん

あは!可愛いですね!
彼のノリノリなダンスをYouTubeにアップしてみては?(笑)
とは言えそんな私、未だにダイアルアップ。
Youtubeとかは会社の光じゃないとみれません。

あぁ、全然「これからの時代」に対応できてませんね。

しかし御子息の聡明にはびっくりします。
将来アキバ通り越して、本郷に向かうこともあるかも知れませんぞ。

>みのりちゃん

そりゃ立志伝!ホタルの光窓の雪。
新しいゲーム機、多分SEの方々には良い刺激になるのだと思うよ。癒しと研究を兼ねてのお買い物。ファイナンシャルエンジニア(?)の君は大変でしょうが。
私も最近ノウミソと足腰に不安を覚え始めたため、
DS若しくはWiiが欲しくてなりません(笑)

>>父上、素敵なキャラクターですね。

いえいえ、お手前こそ(笑)

>まっすーさん

!!!!!
こんな言葉が出てくるくらいだからお話しますが、マイコンBASICマガジン(べ−マガ)ってあったでしょう。アレのP6用投稿ゲームに「MZをブっこわせ!」ってのがありました。本当はMZ1500が欲しかったのに手に入れられずP6になってしまい、そのウサ晴らしに作ったというインベーダー系シューティング。(←ホント何でもアリですね)

1500、本体にカセットデッキ内蔵でしたね。
そう、あれは昭和のお話・・・(笑)

X1、あこがれでした。

>大五郎

さんざんこんなこと書いている私の結論も、
「できるなら自分の子供には与えたくない」です。
隠れながらヤル、叱られたらやめる。そういう過程で人間の複雑なバランス感覚が養われるのかも知れません。

そんな君に僕からのプレゼント。
さっきの発言はどこへやら。

すすめ すすめ ものども じゃまな 敵を 蹴散らし
目指せ 敵の 城へ オゴレス たおすのだ♪

公式テーマソングです。BGMにあわせて歌って下さい。

>じめ

これを書くためにひさびさに2進数指折り数えてみたら、指が引きつりそうだし途中で順番がわからなくなるし。昔は出来たのに。
どうやら日々のランダムアクセス(アルコール・ニコチン・ストレス等)によって、メモリがどんどん劣化しているらしいのです。まさにアナログカセットテープ。

マニア話ついでに厳密に言えばテープみたいな頭出しの必要な読み書きはシーケンシャルアクセスと言い、RAMとはいいませんけれども。

BASICのみならず、ドロ沼のような機械語の世界にも触れられたこと、
確かにいい思いでです。

まさしく「思い出バナシ」にのみ利用可能になりましたが(笑)
【2007/05/01 18:14
WEBLINK [ ] NAME [ 名無しのまうまう #5498df59d5 ] EDIT
このカシオの16Kですが、微妙なところなんですよ・・・。
当時はまだ綺麗なグラフィックのアドベンチャーゲームてのがテープ版で売り出されてまして、しかしなぜかそのほとんどがRAM32K以上対応というスペック限定品だったんです・・・。参りましたね。

まあその後、メガロムというROMカートリッジのおかげで随分楽しくなったんですけどね・・・(^_^;;;
【2007/05/02 08:45
WEBLINK [ ] NAME [ じめ #2abe8e0b97 ] EDIT
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